久しぶりにホットケーキを焼いて、はちみつをかけようと冷蔵庫を開けたら!
「わっ!真っ白に固まっている!」
こんなことはありませんか?
「カビたのかなぁ?捨てなきゃダメ?」
いえいえ!ちゃんと食べられますよ。
今回は、はちみつが固まる原因を探り、戻し方や固まらない方法をご紹介します。
はちみつが固まる理由や原因は?
はちみつが固まるのは、温度が低いからだと思われがちなのですが、実はそれだけではありません。
はちみつが固まる理由は、「結晶化」です。
白くて、食べるとジャリっとするのが、結晶の塊です。
カビが生えたのではありませんし、腐敗しているわけでもありません。
はちみつの成分は変わっていません。
では、どうして「結晶化」するのでしょうか?
はちみつが結晶化する理由
はちみつの中に含まれる糖分のうち、4割はブトウ糖です。
ブドウ糖は元々結晶化しやすい性質があります。
そして、はちみつは自然のものなので、はちみつの中には、どうしても花粉やハチの巣の欠片などの不純物が入ってしまいます。
このはちみつの中の花粉や気泡とブドウ糖がくっついて、それを核にして結晶化していきます。
これがはちみつが固まってしまう原因で、あの白いジャリっとしたものの正体です。
この結晶化を進めてしまう原因は、主に3つあります。
1 温度
温度は低いほど結晶化しやすいです。
結晶化は5℃~14℃が起こりやすい温度と言われています
●温度差
そして温度が低いだけではなく、温度変化でも結晶化が進みやすくなります。
特に、春先や秋口など日中の寒暖差があると、起こりやすくなります。
日中は日が当たり、朝や夕方は冷え込むような場所が、危険です。
2 振動
揺れることによって、はちみつの中に小さな空気の泡が入ります。
その泡を核にして、ブドウ糖の結晶化が進んでしまうのです。
冷蔵庫を何度も開け閉めする、はちみつの入れ物をシェイクする、などで白いつぶつぶができてきます。
3 長期保存
結晶化ははちみつの中の不純物を核にして、ブトウ糖が結晶化したものでした。
純粋なはちみつの証拠とも言うべきものですが、不純物が多いほど結晶化もしやすいです。
そして時間が経てば経つほど結晶化しやすくなってしまいます。
温度や振動に気を付けていても、避けられません。
おおよそ2年くらい経過したはちみつは結晶化しやすくなっています。
はちみつが固まった時の戻し方や溶かし方
固まってしまった、じゃりじゃりのはちみつ…。
食べられるのは分かったけど、どうにかして戻せないかな…。
ご安心ください。
ちょっと手間をかければ、ふたたび柔らかくてとろーりとしたはちみつに復活します。
はちみつの結晶化は、温度の変化によって起こりやすいとお伝えしました。
戻し方でも「温める」という方法が有効です。
固まったはちみつを溶かす時の注意点
ただ、温める時にはいくつか注意点があります
40℃以上にしない。
それぞれの方法の説明でも書きましたが、50℃以上になると栄養分が破壊されて、風味が悪くなってしまいます。
溶かし残りのないようにする。
溶かし残りは、もちろん結晶の塊です。
残っていると、それを核にして、再び結晶化が進んでしまいます。
溶かし残りのないようにしましょう。
何度も結晶化させては戻すことを繰り返さない。
固まったら溶かして戻すのを繰り返していると、結晶化しやすくなっていきます。
ちょっとした温度変化や振動で、すぐに固まるようになります。
一度に使い切れない場合は、使う分だけ小分けにして溶かした方がよいでしょう。
はちみつが固まった時の戻し方
では、どのようにして温めるのか?
おすすめの方法を5つ、ご紹介します。
1 湯せんにかける
少し深めのお鍋に水を張り、お皿を沈めて台にします。
固まったはちみつを瓶ごと入れて、火にかけます。
この時、蓋を取っておきますが、なかにお湯が入らないように気を付けてください。
お湯の温度が50℃~60℃になるよう加減しながら、ゆっくりと溶かしていきます。
沸騰させてしまうと、はちみつの栄養分が破壊されて、風味が悪くなってしまいます。
でも、温度を一定に保つのは難しいですよね。
そんな時は、沸騰する前に一度、火を止めます。
しばらくかき混ぜて、温度が下がってきたら、再び火をつけて、温度をあげていきます。
火は、必ず弱火から加減していきましょう。
完全に結晶が溶けるには、30分から1時間ほどかかります。
分量や結晶化の進み具合にもよりますが、時間はかかるものと思ってください。
2 電子レンジにかける
そんなにゆっくり時間をかけていられない。
すぐに食べられるようにしたい。
そんな時には、電子レンジを使いましょう。
使う分だけの固まったはちみつを耐熱皿にとります。
低めのワット数にして10秒刻みで、レンジにかけていきます。
この時も急な温度変化が風味を悪くさせてしまいます。
電子レンジに温度調整の機能がついていたら、40℃設定にしてかけると便利ですね。
3 お風呂に入れる
どのお宅のお風呂温度もおおよそ40度前後ですよね。
残り湯を活用して、はちみつを溶かしてしまいましょう。
ビンはきっちり蓋をして、気になる時には密封できるビニール袋などに入れて、お風呂に浮かべておきます。
一晩で、ほぼ溶かしきることができます。
4 ホッカイロを使う
ちょっとお風呂に入れるのは…。
そんな時には、使い捨てホッカイロを使いましょう。
はちみつのビンの周りを薄いタオルで包み、その上からホッカイロを貼ります。
さらにその上にタオルや毛布で包み込んで、ホッカイロの熱が逃げないようにします。
そのまま12時間ほど放置しておくと、はちみつが溶けていますよ。
5 電気毛布を使う
やり方は、ホッカイロと同じです。
ビンを包んで、12時間ほど放置しておきます。
この時、低い温度設定だと溶けないので、寝るときの設定よりも高めの温度にしておきましょう。
はちみつが固まるのを防ぐ方法
はちみつは何度も固まったり溶かしたりを繰り返すと、より結晶化しやすくなってしまいます。
なので、そもそも固まらせないようにした方がいいですよね。
固まらせない=結晶化させなければ、じゃりじゃりのはちみつを食べなくても済みます。
方法は、結晶化する要因を取り除くことです。
具体的にご紹介していきましょう。
温度差をできるだけ小さくする。
はちみつが結晶化しやすいのは、5℃~14℃です。
逆に、安定して結晶化しにくいのは、18℃~24℃です。
人間が過ごしやすいと感じる温度とほぼ同じ。
ですから、温度変化の少ない場所で、常温保存しておきましょう。
天井に近い場所、例えば食器棚の一番上の棚などがおすすめです。
冷蔵庫の上は、熱と扉の開け閉めによる振動があるので、お勧めしません。
小さめの発泡スチロールの箱に入れておくのもおすすめです。
振動を与えない。
結晶の核になる空気の粒が入らないようにします。
冷蔵庫の扉の棚に入れて、開け閉めのたびに揺れているなんてことはありませんか?
揺れない場所へ移しておきましょう。
また、はちみつが出てこないからと、容器を強く振るのもNGです。
2年くらいで食べ切る。
気を付けていても、時間が経てば結晶化は進んでしまいます。
予防法としては、その前に食べてしまうこと。
目安として2年、長くても3年以内には、食べ切ってしまいましょう。
まとめ
はちみつの固まる理由やその対処方法をご紹介しました。
・はちみつが固まるのは、ブドウ糖が「結晶化」するためです。
・固まりやすさは、はちみつのなかのブドウ糖の比率によって決まります。
・固まってしまったら、温めて溶かしましょう。
・予防法は、一定の温度を保ち、振動を与えないで、2年くらいで食べ切ることです。
はちみつは太古の昔から、私たちの食生活に欠かせない甘味です。
食べるだけでなく、医療や美容にも使われています。
最後まで大事にいただきたいですね。